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在日韓国商工会議所 兵庫のメンバーインタビュー。
今回のメンバーは当会議所の理事である香川裕貴さんとなります。

兵庫韓商に入られたきっかけは

実は、現在の会長が妻方の叔父なんです(笑)。以前、親戚の集まりがあった時に叔父(会長)に仕事の相談をしていたら、「それだったら商工会議所に参加していろんな先輩経営者から学んだり、ネットワークを拡げたらどうか。大変刺激になるよ」と誘って頂いて兵庫韓商に参加するようになりました。経営者・ビジネスマンとしても叔父を尊敬していたので、せっかく誘って頂いたのでとりあえず一度飛び込んでみて、どんな所か知ってみようって感じでした。初めて会合に出席したのは2020年12月だったと記憶しています。

■韓商ではどんな活動をされていますか。

定期定期に会合(理事会)を開催し、各事業活動を協力し合って進めてますが、特に力を入れているのが「アジアンパーク(AP)創生事業」です。これまでに「AP創生シンポジウム」や「大学生によるAPアイデアコンテスト」また大学教授などにも協力して頂いて「AP基本構想書」発刊などを進めています。また私自身もアジアンパークのプラン委員会のメンバーとして参加させて頂いています。

 

■香川さんは日本人ですね。日本にも商工会議所がありますが、韓国商工会議所で活動している理由は何でしょうか。

私自身はずっとフリーランスで仕事をしてきたこともあり、何かの団体に属したりはしていませんでした。会長に誘われてなかったら多分入ってなかったと思います。また国籍に関しては基本的にフラットで見ていて、どこの国籍かはあまり関係ありません。人と人との繋がりベースだと考えています。
ただ、自分は韓国と日本の歴史などをまだまだ知らないとも感じています。今年の8月(2022年)に、KOBE三宮・ひと街創り協議会さんが主催して長崎県対馬に「朝鮮通信使ツアー」があり、協議会、兵庫韓商の皆さんと参加させて頂きましたが、このツアーで朝鮮と日本の約400年程前からの交流史-歴史を学ぶことができたのは本当に良い経験になりました。

カメラを職業にしようとおもったのは

私は大学卒業後、印刷会社に務めていました。10年ほど前に、趣味のカメラから写真事務所に本職として転職し、そこで色々な経験を積ませて頂いて2013年7月にフリーカメラマンとして独立しました。
私は元々ブライダルのカメラ撮影もしたかったので結婚式・ブライダル関係の写真を撮るようになり、また結婚後は子どもを産んで家族写真も撮らせて頂くようにもなり、そのご家族の歴史・ヒストリーをカメラというファインダーを通じて記録する業域にと仕事が拡がっています。そのご家族の歴史を残す専属カメラマンみたいな感じでもありますね(笑)。

■ブライダルの写真が撮りたかったというのは何故ですか。

人が好きというのが根底にあります。また結婚式・ブライダルには人のあらゆる感情が集まっています。泣きも笑いもちょっと寂しさもあります。そのいろんな感情が結婚式という場に現れ、それをカメラ、ファインダーを通じて記録・残せるのが私自身も嬉しくて魅力的な仕事だと思ったんです。

 

■お仕事はどの関係が多いですか?

現在のメインはこのフォトスタジオでのお子さんの記念写真です。生後1歳記念や七五三のお祝い写真などです。お宮参りや七五三などは大阪天満宮などで屋外撮影もあります。あとは学校案内の写真や企業のホームページ・広告撮影も行っています。また神戸の西区にプールスタジオもあります。

 

■プールでの撮影とは珍しいですね。

母方の祖父母の空き家を改装して、二部屋分の大きさのビニール製のプールを設置しました。3年前に100万円を目標にクラウドファンディングで募集したところ、最終的には240万円が集まりました。大きさは長さ5.4メートル、横幅2.7メートル、深さは1.2メートルです。
7年前ぐらいから海とかダイビングプールなどで水中撮影はしていました。海中は暖かい時期しか無理ですが、ダイビングプールならウェットスーツを着て撮影することもできます。でも水温が低いときなどは撮影環境としてあまり良くないと考えるようになり、それだったら年中撮影できる空間-場所を自分で作った方が良いんじゃないかと考え実行に移しました。

サンテレビ「情報スタジアム 4時!キャッチ」の特集【幻想的な一瞬をとらえる水中カメラマン】として紹介された。

■このプールでの写真はとても幻想的にもみえます。

このプールの中にウェディング衣装やマタニティ衣装などをお客様が着用し、私も一緒に水中に入って撮影します。背景の色や模様などもプロジェクターなどを使って撮影しています。宇宙の絵を背景に撮るときなどは、プロジェクターで宇宙の絵を投影して被写体にプールに入って頂いて撮影しています。CGなどの合成ではありません。
ですから陸上ではとても撮れない、水中だからこそとれる不思議な空間写真が撮れます。ちょっと特殊な撮影ですが、海外何カ国かではこの様な撮影をしているカメラマンもおり、私も日本でこの特殊撮影をしてみたいと思って進めさせて頂きました。

 

■この事務所をフォトスタジオ用に改装した特別な理由はありますか。

元々この場所はボディペインターでもある妻がマタニティーイベントなどもできるスタジオとしてスタートした場所です。それからはそれぞれのお客様を撮影していましたが、それほど集客に力を入れていませんでした。しかし新型コロナウィルス感染症を機にもっとスタジオにも力を注ごうと言うことになり、2020年8月頃に改装し、今年の春頃に新たに拡張しました。
当然フォトスタジオは固定費がかかります。しかし、自分の世界観を作りやすい利点もあります。特に現在はカメラマンが溢れかえるほど多いので、同じようなロケ地だと、どのカメラマンに依頼してもそんなに違いが出にくくなっています。当然カメラマンの撮影技術や編集力量などによりそれなりのオリジナリティーは可能ですが、一般の方が見てもあまり分別できません。であるならば自分たちがビジネスとして生き残っていく上でも差別化は必要と考え、世界観・オリジナリティーを打ち出しやすいスタジオ-拠点化を創ろうということになりました。
このスタジオは、「自分のおうちにいるみたい」「緑いっぱいの、リビングのような世界観で」をモチーフにしています。どこを見ても大小さまざまな植物-緑があり、尚且つ、あまりゴテゴテしないナチュラルな空間にしています。緑に囲まれると少し緊張していた心も少しずつほどけていき、自然のままの特別な笑顔になり、素晴らしい瞬間を撮影・思い出にすることができます。

■今は誰もがスマホというカメラを持ち歩いています。それもかなり高性能です。するとプロへの依頼は減っているのではないかと思いますが。

確かに今のスマホのカメラ機能はアップしてますし、それでいいと思う人もいらっしゃると思います。ただ七五三などの特別な記念日などでは、きちんとした記録-写真を残したいと私たちのようなプロに依頼する場合がかなり多いですね。

■七五三などの記念でお子さんを撮るのは楽しいですか?または何か大変なこともありますか。

お子さんの撮影は本当に楽しいですよ。私たちもお子さんの表情や笑顔を見ると自然と元気な気分をもらえますね(笑)。でも一方で七五三の撮影などは苦労も多いですね。人見知りのお子さんなら衣装を着ないとか、着るまでに時間がかかるとか、笑って頂くためにあの手この手をつかったりとか、いろんな努力を積み重ねています(笑)

 

■撮影した写真はどうするんですか。

私たちは大体100カットぐらいをダウンロードできるリンクを設定して、そこからお客様にダウンロードしてもらうようにしています。また七五三など特別な衣装を着た時などはDVDデータも作成します。基本はデータがベースで、パネルやアルバム作成はオプションとして希望される方には購入して頂いています。私たち撮る側からすると、データだけだと結局は携帯やパソコンに入ったままで見る機会も少なくなってしまったりするので、できれば形としてパネル、アルバムにすることをお勧めしています。家族写真や子どもの記念写真などはいつでも見れる場所に飾っておくことによって、家族の一体感や子どもの自己肯定感を高める効果があることが多くの研究結果で明らかになっています。私も子を持つ親として、子どもが家族・両親から愛されている気持ちを感じ育つことは子どもの成長にとっても本当に大事なことだと思います。

■今後の課題をお聞かせください。

今後の課題としては、やはり人材育成、カメラマンの育成です。当社のカメラマンは、私以外に社員カメラマンが1人、提携カメラマンが2人の4人です。私たちのコットンというブランド・世界観も、カメラマンの差によってその世界観が崩れるというリスクもありますのでレベルアップは重要なテーマです。
レベルアップの中身に関しては、一つはカメラの撮影技術です。撮影の天候は曇ったり晴れたいなどなど同じ日がありませんし、シャッターの瞬間にも光が変わりますので、その日その瞬間によって細かい設定をしながら対応(撮影)できる技術力の向上は大切です。
もう一つはコミュニケーション力です。例えば七五三撮影時などでは、お子さんがリラックス・安心できる空気作りであったり、お子さんをほぐし・笑顔になってもらう対話力は大事です。
三つ目は撮影後の編集力です。どの様なテイストにするのかという基礎、そのテイストの元で全カットを編集・微調整して最終品として完成させる技術-編集力です。
この様に撮影技術、コミュニケーション力、編集力の3つが課題です。

■今後の目標をお聞かせください。

2~3年後にもう少し広いスタジオを1店舗、北摂(大阪北部)地域に出店したいと思っています。北摂地域は人口も多く、私たちも北摂に住んでいますので地域柄も理解しています。スタジオとともにウェディング事業にも力を入れたいと思っています。
また神戸で展開している水中撮影事業ももう少し広めたいですし、また先述しましたが兵庫韓商が進めている神戸のアジアンパーク創生事業にもしっかりと連携・参与したいと思っています。それと沖縄です。やはり沖縄は圧倒的に海が綺麗で自然豊かです。沖縄でサテライト店的に現地カメラマンを一人育成して、沖縄のどこかに拠点を持つ。ここまでできたら私はそれでもう大大満足です(笑)

 

■このホームページを見ている人へのメッセージをお願いします。

兵庫韓商が推進しているアジアンパーク(AP)創生事業のプラン委員会に私は参加しています。APは「多文化共生に開かれた港まち神戸のゲートウェイ」を基本に計画を進めています。今後、ウェブ・オンライン等の情報発信拠点、コア施設拠点、サテライト開発など様々な人たちと協力・ネットワークを活用して広がっていった時にかなりわくわくする面白い事業になるんだろうなと思っています。
私のように個人でフォトスタジオをしている者としては、APをゼロから作っていくという体験はなかなかできることではありません。それが韓商メンバーだから参加できる、そしてそれが少しずつ形になっていく過程をいろいろな方々と共に歩むことができる、非常に魅力的です。また自分の仕事・業務だけでは関われないメンバーも兵庫韓商には大勢いており、その様な方々との一種の異業種交流も多きな刺激になっていますし、自社経営にフィードバックもできるなどメリットは多いですね。

若いカメラマンたちへ

カメラを肌身離さず持ち撮りまくることと、カメラ以外の経験を貪欲的にすることです。色々な経験を積むことが後々の写真に活きてきます。若い人向けの話になりますが、とにかく遊び色んな経験をして自分の魅力・経験値をどんどん広げていってほしいと常々思います。写真のことしか知らないと面白くない人間なってしまいます。デスクワークで近場で日々同じような生活をしていると新鮮なインスピレーションが沸きません。
経験は今後の糧になるし、すべて活かされます。写真は以外と人間性が出やすいので、いろんな経験を積んでいた方がいいし、そんな人の方が魅力もあるし、私も一緒に働きたいと思います。

Who am I

株式会社モノゴコロ 代表取締役
photographer / 潜水士

香川裕貴 Yuki Kagawa
1986年11月2日生まれ 兵庫県出身大阪府在住

U-Concent
□Corporate Advertising photo
□Wedding photo
□underwater photo

photostudio cotton
□Family photo

大学卒業後、印刷会社の営業を3年間経験。

2012年 神戸の写真事務所に所属。
2013年 U-Concentとして独立。
2019年 クラウドファンディングで240万円の資金を集め、
水中撮影専用のプールスタジオを神戸市西区にオープン
2020年 家族写真メインのフォトスタジオcottonを大阪市西天満に立ち上げる
2021年 妻のアクセサリーブランドyuuと共に法人化し、株式会社モノゴコロ を立ち上げる

企業広告、HP,パンフレット、学校案内、ポートレート
ウェディング、ファミリー
水中ウェディング、水中ポートレート
など人物撮影を中心に活動中。

ウェディングサイトhttps://uconcent.com/
ファミリースタジオサイトhttps://cotton0510.com/